健康・美容

掲載日:2017年10月12日

化学療法中の下痢・便秘を乗り越える

悪化すると怖い副作用【下痢・便秘】


 

多くの方が人生で一度は、便秘や下痢といった症状を経験します。食べ物やその時の体調によっても、腸内環境が悪くなることで、下痢・便秘は起こってしまいます。がん治療中の場合は、消化器がんなどの直接的なもの化学療法の薬剤による副作用が加わります。

下痢や便秘の副作用が悪化してしまうと、治療自体に影響を及ぼすだけでなく、重篤な状態にもなりかねません。

今回のフコイダン専任スタッフの豆知識では、これらの副作用を防止・緩和するためのポイントをご紹介いたします。

 

がん患者さんの便秘


 

抗がん剤は、胃や腸の運動を調節してくれる自律神経やホルモンにも影響を与えてしまいます。そのため、抗がん剤治療中は排便を促す腸の蠕動運動が起こりにくくなり、便秘になることがあります。

また、モルヒネなどの鎮痛薬を使用している場合も、小腸の運動を抑制し、腸液の分泌を減らす作用や下痢止めの作用もあるため、鎮痛薬が原因で便秘になる場合もあります。

医原性便秘は、下剤だけではコントロールが難しいため、副作用が出現した時点で我慢せずに医師に相談し、便秘に対する適切な治療を施してもらいましょう。

便秘を予防・改善するためにも、食事や生活面において以下のポイントをおさえておくと役立ちます。

 

☆食事面のポイント☆

十分な水分摂取を行い、海藻類・野菜・穀類など食物繊維の豊富な食品を摂取しましょう。

腸内細菌のバランスを整えてくれる乳酸菌を含むヨーグルトなどを摂取することもお勧めです。

便秘の時は、蠕動運動が鈍くなっているため、蠕動運動を促進してくれる果糖やハチミツの摂取もお勧めです。(果糖が含まれているシャーベットやゼリーでも効果があります。)

脂肪分にも潤滑剤のような作用があるため、肝・胆・膵臓に疾患が無い場合は、脂肪分の摂取も良いとされています。

 

☆生活面のポイント☆

朝食を摂り、便意が起きた時は我慢をせず、毎日の排便リズムを整える生活習慣を身に付けましょう。

蠕動運動を促す腹部マッサージや軽い運動を取り入れることもお勧めです。

ただし、化学療法中に起きる便秘は、食事面などの一般的な予防策のみでは改善できるものではありません。無理せずに、主治医から下剤を処方してもらいましょう。そして、下剤の種類や投与量、投与時間といったタイミングはその時の状況によっても大きく変わります。

処方された用法・用量を必ず守るようにしましょう。

 

がん患者さんの下痢


 

抗がん剤による下痢には、投与直後~24時間以内に発生する「早発性下痢」と、投与後24時間以降に起こる「遅発性下痢」があります。

早発性下痢は、抗がん剤のコリン作動性によって腸管の副交感神経刺激が起こることが原因です。腸管の蠕動運動が亢進することで、水分が十分に吸収される前に排泄されてしまい、下痢が起こります。

遅発性下痢は、抗がん剤やその代謝物によって引き起こされる腸管粘膜障害が原因となります。腸管粘膜障害が起こると、腸管内に貯留している物質と浸透圧の差により、水分が腸管内腔に呼びこまれ、便の水分量が増すことで起こります。

下痢を予防・改善するためにも、以下のポイントをおさえておきましょう!

 

☆食事面のポイント☆

下痢の時は脱水症状になりやすいため、水分補給を十分に行いましょう。

温かく消化吸収の良いもの、栄養価が高いものを少量ずつ摂取するようにしましょう。

刺激物が強いもの、アルコール、カフェイン、乳製品、脂肪分の多いもの、柑橘類、冷たいものは下痢を悪化させるので、控えましょう。

 

☆生活面のポイント☆

下痢の副作用が出ている時は、安静にして腹部を保温しましょう。

脱水に注意し、症状に応じて点滴が必要になる場合もあります。いつもと違う様子の時は医師に相談しましょう。

肛門周辺の清潔を維持しておくことが大切です。

 

消化器がんの手術後の便秘・下痢について


 

胃や十二指腸、大腸など消化器がんの摘出手術を受けた場合は、ダンピング症候群が起こりやすくなります。一度にしっかりと食事を摂ってしまうと、内容物が逆流してしまう可能性も高いため、少量ずつ、ゆっくり、食事の回数も分けて摂ることが基本となります。

また、化学療法の副作用で起こる便秘の時とは反対に、消化器がんの手術後は脂肪分の摂取は控えるようにしましょう。

手術後のパワーフコイダンの飲用についても、摂取回数や摂取量を変更する必要がある場合もあるので、お気軽にご相談下さいませ。

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