健康・美容

掲載日:2017年10月5日

化学療法中の吐き気・嘔吐を乗り越える

高頻度で出現する副作用【吐き気・嘔吐】


 

化学療法の副作用で最も多いのが、吐き気と嘔吐です。投与される抗がん剤の種類や投薬量、投与方法によっても出現頻度や副作用の強さ、期間は異なりますが、吐き気や嘔吐といった副作用は、薬剤が体外へ排出されるにつれて必ず治まります。

また、吐き気や嘔吐が予測される抗がん剤を投与する場合は、事前に制吐剤が内服や点滴で投与され、症状によっては何種類かの吐き気止めを組み合わせて使うこともあるため、強い副作用はコントロールできるようになってきました。

 

吐き気・嘔吐の副作用が出やすいタイプ


 

 

以下の項目に当てはまる方は、吐き気や嘔吐の副作用が出やすいと考えられています。

  1. 1、乗り物に酔いやすい
  2. 2、妊娠中のつわりがひどかった
  3. 3、前回の治療(化学療法)で、吐き気や嘔吐の経験がある
  4. 4、治療に不安を持っている
  5. 5、不眠や鬱(うつ)の傾向がある

 

吐き気・嘔吐の種類


 

吐き気・嘔吐の副作用は、急性・遅発性・予期性の3つに種類分けされています。

急性は、抗がん剤投与後1~2時間で出現します。投与後に現れる急性の副作用に対しては、ご本人やご家族の方も心配になると思います。しかし、急性の副作用は遅くても24時間以内に消失するので、そのことをご本人に伝えるだけでも大きな励みになるのではないでしょうか。

遅発性は、抗がん剤投与後2~7日の間に出現します。

最後に、予期性の副作用ですが、予期性に関しては抗がん剤投与ではなく心理的な要因が大きく、抗がん剤投与前24時間頃から現れると言われています。予期性の嘔吐に対しては、制吐剤の投与が効果的ではありません。事前に、吐き気・嘔吐に対しての不安が強く心配される場合には、抗不安薬を処方してもらうことも出来るので、気になる方は相談してみるのも良いかもしれません。

 

吐き気・嘔吐が現れた時の食事・生活のポイント


 

☆食事面のポイント☆

化学療法中に吐き気や嘔吐が現れた場合、食欲不振になりがちです。食欲不振は、体重減少と栄養障害を引き起こしてしまい、今後の治療継続にも影響を与えてしまう可能性があります。食事面のポイントを知っておき、副作用が現れた時も焦らないように準備しておきましょう!

 

ポイント1:1日3食にこだわらない

副作用が出ている時は、『食べたいもの・食べやすいものを食べられる時に少しずつ』が大きなポイントとなります。口当たりの良い果物やシャーベット、栄養補助食品など、手軽に栄養分や水分補給ができるものを用意しておくと便利です。

 

ポイント2:小まめに水分補給をする

食欲不振の時は、水分補給も忘れがちです。脱水症状を起こしてしまうと、症状はさらに悪化してしまうので、小まめな水分補給を心がけましょう。

 

ポイント3:胃腸への負担が少なく、消化の良いものを食べる

香辛料・揚げ物・脂肪分の多いもの・カフェインなどの刺激物は避けるようにしましょう。また、固形物を食べる時は水分と組み合わせると良いと言われています。スープや味噌汁などをメニューに加えるのも良いでしょう。

 

吐き気・嘔吐の副作用がある時は、温かい食べ物よりも冷たい食べ物の方が抵抗がないという患者さんが多いみたいです。また、においが強い食べ物も、吐き気・嘔吐を引き起こしてしまうので、控えるようにしましょう。

 

☆生活面のポイント☆

リラックスできる環境で過ごすことで、副作用の現れ方も大きく変わるといわれています。副作用の影響で、日常生活に支障をきたすと焦りや不安が募ってしまいますが、永遠に続くことではないので、あまり神経質に考えないようにしましょう。

 

ポイント1:好きなことや趣味の時間を大切にする

家族や友人との会話など、楽しい時間を過ごしている時は、良い意味で気が紛れます。あまり副作用を意識しないように、日々の生活に楽しみを持つようにしてみてください。

 

ポイント2:室内の明るさの調節や換気で快適に

室内を快適な環境にすることで、心身共にリラックスできます。心にゆとりを持てる環境づくりが、ストレスになり、副作用軽減にも繋がります。

 

ポイント3:症状が軽い時は、気分転換を

症状が軽い時は、散歩などで気分転換をしてみてください。体を動かすことで自律神経が整い、不安などが軽減されると言われています。

 

吐き気・嘔吐が現れている時は、体力だけでなく精神的にも耐えがたい苦痛に襲われます。しかし、この副作用は薬の影響によるもので、ある程度の出現時期が決まっています。「苦しいのは、今だけ」と考え、症状が強く出ている場合は我慢せずに主治医に相談しながら、副作用を最小限に抑えるようにコントロールしていきましょう。

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