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掲載日:2017年9月27日
2007年にがん対策基本法が施行され、在宅医療や緩和ケアが重要であることが位置付けられました。それまでは、がんに対する医療は病院で行われることが中心でしたが、通院での化学療法や放射線療法のように、入院せずにこれまで通りの生活を送りながら続けられる治療方法も多くなってきました。
一見すると、入院中は医療者がいつも近くにいて安心できるのに対して、在宅医療ではご本人や家族がさまざまな心配を抱えなければならないようにも思われます。
しかし、在宅医療では、使い慣れた寝具を使い、自分のペースで休息を取ることができます。また、抗がん剤などの副作用が辛い時には、家族以外の人には会わずに、最もくつろげる空間で安静にすることもできます。反対に、気分を紛らわせるための友人との時間や趣味への時間作りなど、病院よりも自由にできることから、在宅医療にも良い点がたくさんあります。
また、不安のない在宅医療のために、全国各地のがん診療拠点病院に「在宅緩和ケア支援センター」が開設され、医師や看護師、介護職などによるチームが訪問看護と連携して活動しています。このように、患者さんやご家族が安心して在宅医療を受けられるよう、サポート体制が整っています。
もちろん、治療中のご本人の体調や状況によっても、在宅療養か入院のどちらが良いかは分かれます。病院や家族と相談した上で、選択するようにしましょう。
化学療法や放射線療法には、副作用がつきものです。がん治療中の患者さんの悩みは、各々で異なります。例えば、消化器がんで摘出手術を受けている場合は、食事の摂り方が重要となります。化学療法や放射線療法を受けている場合は、その方法やサイクル、薬剤の種類や量によっても副作用の症状が違い、個人差もあります。
在宅・外来で治療を受けている場合は、ご自身やご家族で治療に伴う副作用の予防・早期発見・対処を行い、コントロールをしなければなりません。その中で、在宅医療を受けている患者さんから多く寄せられる悩みが、化学療法や放射線療法に伴う食欲不振と栄養不足・・・すなわち「食」に関する悩みです。
食事に影響する副作用を上手にコントロールする事で、以後の治療も大きく変わります。
在宅医療を始める前に、主治医や看護師、栄養士からインフォメーションを受けておきましょう。
例えば、使用している抗がん剤で出やすい副作用の症状や時期などです。突然に吐き気に襲われたり、嘔吐した場合でも、知識があれば動揺を軽減させることができます。副作用を抑える薬などについての情報も共有してもらい、一時期の辛い副作用を、いかに賢く乗り切るかを考えておきましょう。知っているだけでも、安心感は大きく違います。
入院での治療から、在宅・通院治療に切り替わる時は「本当に大丈夫かな?」、「何か起こった時に対処できるのだろうか・・・」と不安になります。そんな不安も、事前に説明を受けることで解消されます。
今後の豆知識では、がん治療中に起こる「吐き気・嘔吐」、「便秘・下痢」、「味覚異常」、「口内炎」といった副作用に対する食事や生活のポイントなどもご紹介していきます。
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