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掲載日:2017年4月19日
人が歩くためには、関節や骨、軟骨などの運動器が必要不可欠です。
しかし、運動器は加齢によって変化が現れてしまいます。これらの変化と上手に付き合いながら、歩くことによるストレスに耐えられる状態を維持していくことが重要です。
今回は、起こりやすい運動器疾患にふれてみたいと思います。
気をつけたい運動器疾患
【1】足の疾患について
足は地面からの衝撃を一番に受ける場所です。そのため、さまざまな痛みに出会う可能性があります。
・偏平足障害
衝撃を和らげるために、アーチ状の土踏まずがありますが、長年の疲労により機能が低下してしまいます。その結果、脚の痛みやふくらはぎの疲労といった症状が出ます。
具体的な診断名がつかず、「いわゆる足痛症」と言われることもあります。
・外反母趾
外反母趾では、「変形する=痛む」と思われがちですが、必ずしもそういうわけではありません。外反母趾の原因ははっきりとはしていませんが、若い時に先のとがった靴を履いていたことが挙げれらます。しかし、全員がそうなるわけではないので、おそらく加齢による変化や遺伝子的な要因が関与しています。
外反母趾の場合に自身でできる対策と言えば、その変形の度合いにもよりますが、足の運動やインソール、シューズを工夫することです。
・モートン神経腫
モートン神経腫とは、中指と薬指の間(まれに人差し指と中指の間)にしびれが起こる事をいいます。原因は、神経が圧迫されて膨らむことで、さらに圧迫されやすくなることにあります。障害が起こる部分が足の中でも重要度が低いことや、靴を脱ぎ圧迫から解放されると症状が軽くなることなどから、疾患として認識していない方も多いと言われています。
対策としては、足指のストレッチや運動が大切です。
【2】膝の疾患
膝には、歩くときに衝撃を吸収し、体を移動させるという役割があります。
そのため、加齢にともなる変化は必至といえます。
・膝関節変形性関節症
この疾患は、程度の差はあるものの、ほぼすべての方が加齢とともに罹ります。
これまでの研究では、加齢に加えて、
①女性である ②肥満 ③膝のアライメント(O脚やX脚) ④筋力 ⑤活動性
などが危険因子とされています。
運動による対策は、筋力をつけることです。
膝を伸ばして座り、脚を持ち上げてそのままキープする動作などは良いですね。
※上半身が反らないように気をつけてください。
軽度なものなら対策は自身で体操を行うくらいで良いのですが、関節内に水が溜まるなどひどくなった場合は、整形外科の受診が必要です。
【3】腰の疾患
・いわゆる腰痛症
痛みはあるが検査をしても異常が見つからない“いわゆる腰痛症”というものもあります。
この場合は、筋肉のこわばりや血流の悪さなどが原因となっていることが多いので、体操や筋力トレーニングを加えていただくと良いでしょう。
・腰部脊柱管狭窄症
これは、50歳以上の男性に特に多く見られます。
ウォーキングをした場合、歩き始めは何ともないのに、しばらくすると狭窄によって影響を与えられている部位に痛みやしびれが起こります。
最大の特徴は、ウォーキングを中断して休むと症状が軽くなることです。
個人によってとらえ方は異なるので、一概には言えませんが、少しでも症状を軽くしたいと思う方には、手術も一つの選択肢となるでしょう。
これらの運動器疾患については、インソールやシューズで対策を取ることが出来るものもあります。
次回は、運動器疾患の対策となるシューズ選びについて、お話ししようと思います。
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