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掲載日:2016年5月2日
抗がん剤の副作用の1つ“脱毛”に対して、多くの人が抵抗を持たれています。副作用への不安は、それらの副作用に対しての正しい情報や対処法の情報が不足することによっても起こるといわれています。特に外観の変化を伴う副作用(脱毛や色素沈着)に関しては、誰しもが大きな不安を抱きます。副作用についての正しい知識を持ち、その変化を知ることで事前の心構えと不安の解消につながることもあります。
副作用の中でも悩まれている方が多い脱毛について、今回からテーマ別にご紹介していきます!
ヘアサイクルと脱毛の関係
頭皮の状態によって個人差がありますが、日本人女性の場合は平均3~7年で脱毛と発毛を繰り返しています。
毛髪は毛周期(ヘアサイクル)にあわせて、発毛から脱毛を一定の周期で繰り返します。一定期間成長すると、毛根の細胞分裂は止まり、角化(細胞の角質化)をはじめます。角化が始まり毛髪の成長が止まると、約3ヵ月で毛根が表面に押し上げられて脱毛します。その後、一定期間を経て、また成長期の毛髪が発生し、脱毛までのサイクルを繰り返します。これは自然な脱毛です。
しかし、抗がん剤など治療の影響でヘアサイクルが乱れ、成長期の毛髪が一定期間に満たないまま成長が止まり、角化→成長休止→脱毛へと至った状態は異常な脱毛です。
なぜ、脱毛という副作用が起こってしまうのでしょうか?
抗がん剤や放射線治療は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えます。特に、抗がん剤は細胞分裂が盛んに行われている細胞を標的とします。毛髪を含める体毛は、体の細胞の中でも細胞分裂が特に活発に行われているため、抗がん剤治療の影響を大きく受けてしまいます。抗がん剤や放射線により、毛母細胞(毛をつくる元となる細胞)が破壊され、脱毛します。
※放射線による脱毛は、放射部位に発生します。
まつ毛やまゆ毛の脱毛について
治療による脱毛は毛髪だけでなく、まつ毛やまゆ毛にも起こります。基本的には先に髪が抜け、その後まつ毛やまゆ毛に変化が生じます。
まつ毛やまゆ毛は成長期が3~4ヵ月、休止期が5~6ヵ月のサイクルで毛周期を繰り返しています。細胞分裂が活発な成長期が毛髪に比べて短いので、抗がん剤の影響は受けにくいですが、成長期と抗がん剤の投与期間が重なると脱毛します。
ヘアサイクルと抗がん剤や放射線がなぜ体毛に影響するのかご理解いただけましたでしょうか?次回は、抗がん剤治療中の脱毛対策についてご紹介いたしますので、ぜひご覧くださいませ。
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