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掲載日:2019年6月19日
前回はがんと栄養シリーズpart3では、大腸がん治療時の栄養摂取のポイントについてご紹介しました。
そして、今回は食道がん治療中の栄養摂取のポイントをご紹介してまいります!
食道がんの手術では、食道の切除と共に頸部・胸部・腹部のリンパ節郭清を行い、再建術が行われます。一般的な再建方法は、胃を円筒状に形成した胃管を持ち上げ、頸部に残っている食道とつなぐという方法になります。
侵襲性が大きい食道がんの手術を受けた後は、以下のようなさまざまな後遺障害が残ります。
手術によって、喉の下部や食道上部の運動を司る一部の神経が切断され、スムーズな嚥下運動が障害されてしまうため、誤嚥が起こりやすくなります。
手術により、胃と十二指腸の境界にある筋肉が切断されます。そのため必要に応じて開閉するこの筋肉が、その動きができなくなり、胃切除の時と同様にダンピング症候群が起きてしまいます。
手術の影響で食道の残りと胃をつないだ吻合部が狭くなり、食べ物が飲み込みにくくなることがあります。
特に前かがみの姿勢になった時に逆流し、吐きやすくなってしまいます。
手術で再建された食道は、生来の食道より構造が弱くなってしまっています。そのため、食道がん切除後の栄養摂取・食事の基本は少しずつゆっくり食べること、そして水分の一気飲みは避けることが大原則となります。
また、ビールや炭酸飲料は泡が胃に貯留されず、すぐに腸に入りお腹が張ってしまうため、避けた方がよいとされています。
アルコールについては、個人差があります。もともと弱い方は、アルコールの血中濃度の上昇が速まり酔いやすくなるのでゆっくり飲みましょう。反対に、酒豪の方はお酒が胃に溜まらなくなるため、いくらでも飲めるようになります。しかし、肝臓への負担もあるので、飲む量を事前に決めてしっかりと守るようにすることがお勧めです。
食道狭搾を指摘された場合は、大きなお肉を焼いて食べる焼肉、お刺身などは狭くなった部分に食べ物が貼りつきフタをしてしまう可能性があるた注意が必要です。
お肉を食べる時は小さく切り、魚は煮魚などにして通りやすく調理するようにしましょう。
ツルツル飲み込んでしまいがちな麺類も、食道切除後は好ましくありません。食べる時は、ゆっくりと少しずつ食べるように心がけてください。
胃がん、大腸がん、食道がんと消化器系を中心に栄養摂取のポイントをご紹介してまいりましたが、いかがでしたか?
消化器系のがんは特に注意が必要ですが、その他のがん種においても栄養摂取の基本は消化の良い食材をバランスよく摂ることです。
ぜひ実践していただき、よりよい治療を受けるためにも役立てていただけましたら幸いです。
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