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掲載日:2019年1月21日
がん治療において、手術のほかに放射線や抗がん剤も治療の中心となって行われます。
頭頚部への放射線治療や一部の抗がん剤治療において、唾液腺に障害を与え、唾液の分泌の影響が出てしまうこともあります。その結果、ドライマウスという口腔内が乾燥する症状が出現し、歯周病や虫歯などのリスクが増大します。
また、頻度の高い合併症として粘膜炎というものもあります。口腔内で炎症が起こることを粘膜炎と呼び、痛みや摂食困難の原因となります。
これらの副作用や合併症が出てしまうと、食欲不振をきたし、QOLの低下や最悪の場合は治療中断を余儀なくされる可能性もあります。
治療前、治療中に予防対策を行うことで、合併症などのリスクが低下します。治療を計画通り行うためにも、早い時期から予防対策をとっておきましょう!
治療中は免疫力が低下してしまうため、歯科診療は推奨されません。少なくとも抗がん剤治療などを開始する1ヵ月前には口腔衛生状態の診察を受け、口腔内を良い状態に整えることが理想です。
治療中は、口腔内が敏感になっています。歯を磨く際は、やわらかい歯ブラシを使用すると口腔内の組織を傷付けずに磨くことができます。歯磨き粉は、虫歯予防のためにもフッ素入りのものを用いると良いと言われています。
また、アルコール類は刺激が強く炎症の原因になってしまうため、洗口液を使う場合はアルコール未使用のものを使用しましょう。
がん治療中は免疫力が低下していることなどから、患者さんのQOLや状況によって歯科治療を行えるかが判断されます。
歯科治療が必要であると判断された場合、がん治療を行っている医師と協力して治療する必要があるため、自己判断で歯科受診してはいけません。
口腔内の異変を感じた時は、まずはがん治療をしている主治医に相談し、がん患者さんの歯科治療に対応できる歯科医師を紹介してもらうようにしてください。
治療中であっても、口腔内を健康な状態に保っておくことで、さまざまな副作用や合併症のリスクを低下させることができます。口腔内のトラブルが起こってしまうと、治療に最も大切な“体力・免疫力の維持”の妨げとなってしまいます。
治療が終了した場合も、年齢を重ねても美味しく食事を摂るために定期的に歯科検診を受け、口腔の健康維持に努めていきましょう♪
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