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掲載日:2017年12月27日
動物の身体には体内時計と呼ばれる生体リズムが存在し、健康や長寿に大きく影響していると言われています。
近年、体内時計に従った食事の摂り方が時間栄養学として、心身の不調和を改善すると注目されているのです。現代人は、夜型の生活になってしまっている人も多く、体内時計の乱れが懸念されています。
体内時計が乱れると、うつ病など精神疾患やメタボリックシンドロームの一因になるとも言われています。
体内時計は、大きく分けて4つに分類されます。
1、睡眠時は、約90分周期で睡眠と覚醒を繰り返す
2、1日を約24時間周期とする日内リズム
3、約1ヵ月周期とする女性の生理周期
4、約1年を刻み、多くの動物の繁殖に関わる
この4つの分類の中でも、最も重要となるのが日中の生活に関わる2番の体内リズムです。
体内時計の中でも、約24時間周期の日内リズムは、「体温やホルモン分泌量の調整」・「免疫の調整」・「心臓、血管運動」・「消化・代謝」といった健康に関わる大きな部分を担っていることが研究から明らかとなっています。
こうした体内時計の研究から出た1つの答えが、「早寝・早起き・朝ごはん」です。この習慣付けが現代人の乱れた体内時計を修正し、心身の調和を整えてくれると考えられています。さらに、体内時計が正常な人と、そうでない夜型の生活を行っている人とでは、超悪玉といわれているsdLDLコレステロールの増加も大きく違っていることも比較試験から解ってきています。
体内時計は生活習慣の発症や精神活動に大きく影響してきます。体内時計を正しく調整することで、さまざまな病気の予防にも繋がってきます。
健康志向が強まってはいますが、肥満や生活習慣病の罹患率は増加傾向にあります。その一つの要因として、体内時計の乱れが考えられています。
とある調査において、1970年は約70%の人が23時に就寝していましたが、2005年には約40%に減少しています。それだけでなく、夕食を摂るタイミングも21時以降の方が増えているそうです。
運動不足や食生活の乱れから、肥満や生活習慣病のリスクが心配されていますが、体内時計が乱れることでの代謝異常から肥満・糖尿病の発症が増えたとも考えられています。
午前中は排泄を重視するため、朝食を摂らない方が良いという説もありますが、時間栄養学においては、体内時計のスムーズな切り換えや脳の働きを活発化させるためにも、きちんと摂った方が良いとされています。
アメリカでも、朝食を摂らない人は摂る人に比べて5倍も太りやすいという報告もあります。それは、昼・夜の食事量の増加と血糖値の上昇だけでなく、朝食を摂らないことで体内の時計遺伝子が飢餓を感じ、脂肪の蓄積に働くと考えられているからです。
仕事上、夜型生活を避けられないという方は、睡眠の質を高め、sdLDLコレステロールを増やさないためにも食事後すぐに就寝するといった行動を控えるようにするだけでも大きく変わってきます。
常に体内時計を意識した生活を送ることから、まず始めてみてはいかがでしょうか(^^)
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