健康・美容

掲載日:2017年11月2日

化学療法中の口内炎を乗り越える

QOL低下に直結してしまう副作用“口内炎”


 

治療を受けていない方でも、疲れが溜まったりすることで口内炎が出来ることがあります。口内炎に効果のある市販薬が多く販売されていますので、この口内炎に悩まされている方も多いのではないでしょうか。

がん治療である化学療法や放射線療法の影響による口内炎は、「口腔粘膜炎」と呼ばれ、一般の口内炎とは区別されています。

今回は、がん治療の影響で起こる口内炎を乗り越えるためのポイントについて紹介いたします。

 

 

なんで口内炎が起こるの?


 

がん治療中に口内炎ができる原因としては、抗がん剤が口腔粘膜にも作用して炎症を生じさせる直接的なものと、治療による免疫力低下や唾液腺障害により唾液の分泌が低下することで感染症を起こしやすくなる場合があります。

抗がん剤の影響による口内炎は一時的なものが多く、治療終了後2~8週間で回復します。しかし、重症化してしまうことで、食事の摂取もままならなくなり、QOLが著しく低下してしまいます。

抗がん剤治療をこれから始められる方は、治療開始前から予防に役立つ口腔ケア(虫歯や歯周病の治療、義歯の調整、歯垢除去など)を十分に行うことが重要です。

 

口内炎が全身に及ぼす影響


 

口内炎ができることで、身体的症状(飲みこみにくい、痛み、食べられない、味覚の変化、会話がしにくい)と精神的症状(不安・苛立ち・不眠・意欲低下)が起こります。身体的・精神的症状が続くと食欲低下に繋がり、低栄養・QOLの低下がみられます。

さらに、口内炎の副作用が出ている時は、通常よりも感染症を起こしやすい状況のため、注意が必要です。二次感染してしまうことで、敗血症に移行し、全身状態が悪化してしまいます。

口内炎が原因となり、低栄養・QOL低下・全身状態の悪化してしまうと、がん治療の継続も困難となってしまいます。

 

口内炎の対処ポイントは、痛みの緩和と二次感染予防!


 

口内炎が心配される時は、口腔内環境を整えることから始めましょう。

唾液には、優れた殺菌作用があり、1mlの唾液は口腔内の細菌を数十億個も除去すると言われています。化学療法中の患者さんや、ご高齢の方は唾液の分泌量が減少しやすく、ドライマウスになりがちです。ドライマウスの影響で、細菌が繁殖しやすくなります。口内炎による痛みが出ていない場合は、ガムを噛んだりして唾液の分泌を促進すると良いでしょう。

また、二次感染予防には頻繁にうがいをすることも良いと言われています。治療中に行ううがいには、口腔内にするだけでなく、唾液を通じて口腔内に排泄された抗がん剤の除去にも役立ってくれます。

 

■うがいをするタイミング■

日中は、気付いた時に小まめにうがいをするようにしましょう。睡眠中は唾液の分泌量が非常に少なくなります。また、適度な温度が長時間保たれ、口腔内の細菌が繁殖しやすい状態になります。起床時はもちろん、就寝前や夜間に目が覚めてしまった時も、うがいを行うことがお勧めです。

 

■食事のポイント■

口内炎が出現している時は、食事も億劫になりがちです。以下の点に気を付けることで、少しでもストレスなく栄養を摂れるようにしていきましょう。

 

  1. 1、熱いものは避ける(体温程度に)
  2. 2、硬いものは刺激を強く感じます。柔らかく、飲みこみやすいものを選ぶ
  3. 3、ご飯→お粥、具入りスープ→ポタージュなど、とろみのあるものにする
  4. 4、できるだけ薄味を心がけ、刺激を避ける
  5. 5、辛味や酸味(特に果物)、塩味は痛みを感じやすいので避ける
  6. 6、アルコールも刺激が強いので止める

 

■生活のポイント■

日常生活を送る上でも、口内炎を改善できるポイントは多くあります。まずは、以下の点をおさえてみてください。

 

  1. 1、口腔ケアを徹底する(必要に応じて歯科を受診する)
  2. 2、乾燥を防止する(口を潤す、保湿ジェルの塗布、加湿器やマスクを使用する)
  3. 3、食後30分以内に歯磨きをする(歯ブラシは、小さな柔らかいものを選び、口腔内を傷つけないように)
  4. 4、十分な睡眠をとる
  5. 5、症状に適したうがい薬を使用する(主治医に相談してみてください)
  6. 6、経口での栄養摂取が困難な場合は、点滴をしてもらう

 

化学療法の影響による口内炎は、一般的な口内炎と比べられない程、辛い時もあります。口腔内を傷つけないように気を付けるようにしましょう。

 

長年の研究から、フコイダンには粘膜の保護作用も明らかになっております。パワーフコイダン(液体タイプゼリータイプ)を飲用されているお客様は、パワーフコイダンを口内炎に触れさせるような意識を持ちながらのご飲用方法もお勧めです♪

辛い副作用は、出さない・悪化させないに越したことはありません。高い治療効果を出して、良い結果を出すためにも、副作用対策をしっかりと立てていくことが大切です。

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