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掲載日:2017年8月9日
がん治療(手術療法・化学療法・放射線療法)を控えている時、改めて「自分の体力は治療に耐えられるのか?」と不安になる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
治療を受けるにあたり、体力はとても大切になります。特に、手術療法や化学療法は、体への負担も少なくありません。治療前の事前準備として、筋力トレーニングや食生活の見直しが頭に浮かびますが、それに加えて肺活量を増やしておくことも意外と知られていない大きなポイントです♪
肺活量とは、酸素と二酸化炭素の処理能力のことです。健康的な成人の平均値は、男性が3,000ml~4,000ml、女性では2,000ml~3,000mlとなります。(体格・年齢・日常的な運動の有無・喫煙歴によって異なります。)
肺活量が平均値より低い場合、肺が硬くなったり呼吸筋が弱くなったりして、肺が十分に拡がらず、空気を入れる容量が少なくなることもあります。また、酸素の血中濃度が低くなり、ふらつき・思考能力の低下・疲労感といった症状が出ることもあります。
十分な肺活量を持っていない場合、日常生活においての支障が多く出てきてしまいます。
がんの手術療法おいて、肺活量は大きく関係します。手術前・手術後の肺活量を比べてみると、下腹部の手術では25%、胸や上腹部の手術で50%以下にまで低下するといわれています。
その他、全身麻酔や傷の痛みでスムーズに換気が出来ず、痰が溜まり酸素を十分に取り込めなくなる無気肺といった合併症を起こしてしまうこともあります。また、肺活量の低下することで、病状の回復が遅れることも考えられてきています。
手術を控えている場合は、手術後に備えて肺の機能を高めておくことが大切です。肺機能を高めるためには、日々の運動が不可欠です。
足腰の衰えから老いがくるといわれているように、下肢の筋力を鍛えることが肺機能向上にも繋がります。
人間の筋肉の70%以上が下半身にあるといわれているので、下半身の筋肉を鍛えることで血液の巡りが良くなり、血糖値の改善や心肺機能を向上させることができます。
肺機能を向上させるための運動として、お勧めなのが“散歩”です。毎日続けられて、景色を楽しむことで気分転換もでき、さらに肺機能が高まることでリラックス効果を得られます。手術前だけでなく、手術後もご自身の無理のないペースで散歩を続けることで、良いリハビリにもなります。
関節への負担が少ない水泳なども、全身の筋力と心配機能を同時に鍛えることができるので、良いとされています。
最近では、猫背や反り腰になっている方も多くいらっしゃいます。姿勢が良くない状態だと胸郭が圧迫されてしまい、横隔膜をうまく下げることができなくなってしまいます。その結果、呼吸筋が弱体化してしまいます。
理想的な姿勢としては、背骨が緩いS字カーブを描く姿勢となります。正しい姿勢を維持しておくだけで、体内へ取り込む酸素量は大きく変わります。常に良い姿勢を意識しておくことで、健康的な肺活量を維持・向上が期待できます。
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