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掲載日:2017年5月9日
一昔前は贅沢病とも言われた痛風ですが、食べ物に不自由のない現代の日本では、ありふれた疾患になりました。それとは裏腹に、健康意識が高まっているため、健康診断や人間ドッグを受ける人も増えてきています。
多くの人が、健康診断で指摘を受けるのが「尿酸値」です。尿酸は体内でできる老廃物のひとつであり、血液中の尿酸濃度が高い=高尿酸血症ということになります。この状態が続くことで、体内に尿酸の結晶が蓄積して、痛風を起こしたり、高血圧などの生活習慣病を悪化させる原因となります。
尿酸値が高い状態が続いている人は、痛風の予備軍であり、生活習慣病の要素のひとつです。一度、「尿酸値」についてじっくりと考え、正しい知識を持つことで適切な対策をとることができます。
今回は「高尿酸血症」と、高尿酸血症が続くことで起こる「痛風とその治療方法」について、2弾に分けてご紹介いたします。
血液中の尿酸濃度のことを尿酸値と言います。この尿酸値が7.0mg/dLを超えると「高尿酸血症」とよびます。自覚症状が無い場合でも、高尿酸血症の状態になることで、痛風発作などの症状が出たり、様々な合併症を引き起こすリスクが高まります。
高尿酸血症で起こる症状とは・・・
1、腎障害(痛風腎)・・・尿酸の結晶が腎臓に沈着し、腎臓の働きが低下します。これが進むと、腎不全を起こして透析が必要になる場合もあります。
2、痛風発作(関節炎)・・・尿酸の結晶が関節内に沈着して起こる関節炎です。急に腫れや激痛を伴って起こるのが大きな特徴です。
3、痛風結節・・・尿酸の結晶が皮膚の下に沈着してかたまりができます。特に、体温が低いところにできやすいです。
4、尿路結石・・・尿が酸性になり、尿中の尿酸が溶けにくくなり、結石ができます。
高尿酸血症で注意すべき合併症・・・
高尿酸血症は、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病と密接に関係しています。高尿酸血症と生活習慣病が合併して起こることにより、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中などを起こすリスクが高まると言われています。
尿酸はひとつの物質の名前です。尿酸のもととして食品に含まれるプリン体が有名ですが、食品のプリン体からつくられる尿酸は全体の20%に過ぎず、残りの80%は体内でつくられるエネルギーの燃えカスと、遺伝子が分解されることで生じる老廃物です。基本的に尿酸は、尿中に排泄され、体内の尿酸の量は常に一定に保たれています。
しかし、体内でつくられる尿酸の量と体外へ排泄される尿酸の量のバランスが崩れてしまうと、尿酸値が高くなってしまいます。
尿酸値が高くなってしまうことで、痛風を起こしたり、大きな病気の原因にも繋がります。まずは高尿酸血症について正しい知識を持つことで、対策を取ることができます。
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